Film Score Philharmonic Orchestraの管分奏

 

約1年半ぶりにFilm Score Philharmonic Orchestra通称フィルフィルの管分奏指導をしました。演奏会は8月9日サントリーホールと8月15日オペラシティーにて開催される予定です。

今回の演奏会はスターウォーズ特集です。個人的にもスターウォーズの音楽は好きです。特にエピソード7・8・9のサウンドトラックは目を見張るほど”完璧”な演奏です。それをLIVEで再現することは管楽器奏者にとってとても難しいことだ思います。「これでお客さんが満足するのか?」とこだわってレッスンしました。

レッスンが始まり、最初は問題点が山のようでした。しかし片っ端から直そうとしても時間がかかるばかりです。優先順位の高いことから順番に解決する必要があります。

どうやって短期間で解決しようか、そんなことばかり考えてきた私には、この優先順位の選択は案外簡単です。上位3位くらいまでの問題が解決してくればお客さんが喜んでくれる演奏になります。優先順位の低い問題点がどんなに解決されても、大きな変化は起きません。

今回の優先順位の1位はリズム、2位は音のキレ、3位はアーティキュレーションでした。

付き合いが長くなると、何をすればいいのかという判断が正確になっていきます。長い間吹いていなかった人、合奏や本番が久しぶりだという人が多かったようですが、リズムが正確になった後の音は前回のレッスンと同様、いや、それ以上のサウンドだったと思います。不思議なことにリズムが正確になると他の問題も解決してきます。

次に音のキレです。”音が切れる”  “間が空く” は馴染みの薄い言葉かもしれませんが、私はレッスンでよく使う言葉です。今回、この言葉の意味をじっくり説明する時間がありませんでしたが、具体的な方法をアドバイスしました。その通り吹いた時に、”音のキレ”を感じられたと思います。音のキレも同様、他のことに影響します。音がキレてきたことでアーティキュレーションがはっきりしてきます。

最後にアーティキュレーションです。楽譜通りに吹いていることがお客さんにしっかり伝わるためには少し工夫が必要です。アドバイス通り吹いたことによりはっきりしたアーティキュレーションで表現されたことを、皆さんも感じてくれたのではないでしょうか。

注意された直後になんとなくそれらしいことができるだけでなく、同じやり方で吹けば何度でもうまくいくとわかってもらえたと思います。出来るまで練習するのとは違います。発想を変え、今回のレッスンを忘れずに本番も実行して欲しいと願います。

 

小林正樹